2021年1月 3日 (日)

1月2日の日記

昨日は近所をフラリフラリと軽い散歩。
昼食は近所のカレー屋さんで色々トッピングしながらガッツリと行きました。
注文した料理とちょっと違ったりするというトラブルもありましたが、カレー自体は美味しく満足でした。

食後はブックオフで20%引きを堪能。
成果は5冊。

・伊勢谷武「アマテラスの暗号」:近所の新刊書店では大量に平積み。日ユ同祖論が主軸になっている歴史ミステリとのことで面白そう。
・大森望「NOVA2」「NOVA3」:新刊時には何となく興味が湧かなかったもの。でも110円なら文句無し。
・ジョン・ヴァーリイ「ブルー・シャンペン」:早川SF文庫の110円ものはスペオペ以外は基本購入です。
・石川智健「本と踊れば恋をする」:ビブリオミステリといううたい文句で購入。

帰宅後は今年最初のCDネット注文。
昨日は2枚だけでした。

CD聴盤は2枚。
・Various Artists "Big Stir Singles: The Yuletide Wave"
 BIG Stir Records のレーベル編集盤でクリスマスもの。2018年リリース作だったものを昨年末に見つけて購入。
 レーベルらしいキラキラしたパワー・ポップによるクリスマスソング集。
・FUZZTONES - NYC
 80年代から活動している本当に息の長いネオ・ガレージバンド。2020年の最新作。
 時代に退かず、媚びず、省みずの、不変の演奏スタイル。
 ラフでタフなロックンロールを聴かせてくれた。

以上

| | コメント (0)

2021年1月 2日 (土)

昨年の総括

昨年の購入CDは、624枚でした。

まあまあ、抑えの効いた購入状況だったかなと思っています。

しかし、その反動か、本の購入冊数がちょっと増えてしまい、518冊でした。

勿論、その一割も読めていません。

読んだ冊数は49冊でした。

今年はせめて週に一冊、通年では52冊は読みたいなあと思っています。

「好度」を5点満点でつけていますが、満点の5点を付けたベストCD42枚ありました。

次の通りです。

1.Theatre Royal "Singles 2010-18"

 これはすさまじいまでの Spongetones も真っ青になりそうなほどの美メロパワー・ポップ。

2.Various Artists "For The Record - A Tribute To John Wicks"

 Jamie Hoover が全体プロデュースで、Don Dixon まで参加。

 他、Bill Berry, Peter Case, Carla Olson, Paul Collins など。

3.Randy Franklin "Coastlines"

 とにもかくにも Jamie Hoover 。完璧でした。

4.Jimmer "The Would-Be Plans"

 カントリーフレーバーと清涼感に溢れ、そしてノスタルジックなメロディーが心を撫でるルーツ・ロック。

 ルーツ・ロックバンド、Rave-Ups のリーダーのソロ作、さすがでした。

5.Tom Baker "Dirty Snakes"

 Dirty Truckers リーダーのソロ第二弾。

 豪快で軽快なカントリーフレイバーをかませながら、ラウドなロックンロールをぶちかましている、暴走と郷愁の融合。

 Jason & The Scorchers や Eric Ambel 物を彷彿とさせる演奏とサウンドである。

6.Rob Martinez "Maybe Miss America"

 ビートリッシュじゃないけど、なんともオールディーズ風味を感じさせるギター・ドリブンなパワー・ポップ。

 とにかくメロディーが秀逸で、そのメロディーを覆うサウンドがノスタルジックで、思わず泣けてくる。

7.Various "Hole In The Wall 20th Anniversary Live!"

 Doug Sahm、Leroi Bros 等が一同に会したテキサンルーツ・ロックパーティーで、ご機嫌なロックンロールのオンパレード・ライブ。

8.Blue Angel "Blue Angel"

 シンディー・ローパーが無名時代に在籍していたバンドのアルバム。

 オールディーズ風味がタップリと効いたロカビリーなのである。

9.Overtures "Onceinaworld"

 「formerly of The Jetz, and more importantly, The Pencils!」 ということで購入したもの。

 期待以上に爽やかでメロディアスなマージー・ビート・ポップ~フォーク・ロックで、ビートリッシュであり、Byrdsィーな演奏サウンド。

10.Dropkick "The Scenic Route"

 「Byrds ポップ、ここに極まれり」な、極上のエレクトリックフォークロックの世界。超優良レーベルSound Asleepもの。

11.Jimmy Haber "Blue Palms"

 明るくサンシャイン系なパワー・ポップで幕開け。2曲目以降も、ノリのよいラウドなパワフルサウンドにストレートなネジレ感の無いメロディーを乗せた極上のロックンロール系パワー・ポップを聴かせる。

12.The Floor Models "Esprit de Floor"

 ギターのアルペジオが実に心地よい Byrds 系フォーク・ロック。

13.Cupid's Carnival "Color-Blind"

 サウンドばかりか、曲調までもビートリッシュ。

14.Red Skylark "Collection"

 Byrdsィーなギターサウンドのメロディアスなキラキラ系パワー・ポップ。

15.Dave Kuchler "It's Pronounced..."

 激甘メロディーの洪水な Jerry Fish meets Byrds & Beatle なパワー・ポップ。

16.Travel Lanes "On"

 Buzz Zeemer メンバーのバンド。Costello 系のメロディーにボーカルとルーツィーな演奏がグッドマッチ。

17.Michael Oliver & The Sacred Band "Yin & Yanxiety"

 ルーツ・ロックからビートル・ポップまでは幅広く聴かせる。ベースになっているのはルーツ・ロック。

 しかもその演奏とサウンドがとても Eric Ambel プロデュース物系なのである。

18.Gerry Devine and the Hi-Beams "Fire Lane (Remastered with Bonus Tracks)"

 Gear Daddies 等のUSインディーズロックからカントリー色を抜き取ったようなギター・サウンドのギター・ポップ。

 どことなく漂うルーツ感が実に心地よいアメリカン・インディーズ・ロック。

 E.I.E.I.O. 等と同じ肌合いを感じる優良バンドである。

19.Gary Ritchie "Head on a Swivel"

 ビートリッシュで、Byrdsイーなギター・サウンドの洪水。時速200Kクラスのど・直球なパワー・ポップ。

20.The Amplifier Heads "Loudah"

 Dave Edmunds や Billy Bremner をラウドにしたようなシンプルなパブロッキーロックンロールをぶちかます。

21.Mike Stinson "Hell & Half of Georgia"

 名プロデューサーのR.S. Field がプロデュースし、テキサスルーツ・ロッカーのJesse Dayton、Dave Gonzales が参加している。

 おそらくテキサス産ルーツ・ロッカー。

 このレコーディングクレジットで期待させる演奏とサウンドは正に期待通り。

 テキサス魂溢れる泥臭いルーツ・ロック。

22.Dr Boogie "Gotta Get Back To New York City"

 名は体を表す通りの、最高のご機嫌ロックンロールである。

23.The Corner Laughers "Temsecal Telegraph"

 完璧なまでの 10,000 Maniacs~John & Mary 路線の爽やかで可愛らしいフォーク・ポップ。

 KC Bowman(Bye Bye Blackbirds)の全面参加とレコーディング参加。

 気持ちの良いキラキラしたアコースティックサウンドの要はマンドリンと思っていたら、なんとウクレレだった。

24.Kingbees  "Steppin Out 'N' Going"

 Blasters に輪をかけたノリノリさがたまらない。驚愕のスウェディッシュバンドである。

25.Dana Countryman "Come Into My Studio"

 日本の60年代~70年代の歌謡曲のような何とも切ないメロディーを縦横無尽に聴かせてくれる。

26.Billy Bremner "Cocktaol Of The Year"

 Rockpile は生きていた!!

27.Linda Gail Lewis "Hard Rockin' Woman"

 Jerry Lee の妹。これは良い。完璧なアメリカン・ロックンロール。まるで Blasters である。

28.V.A. "Surrender To The Rhythm The London Pub Rock Scene Of The Seventies"

 良い。とにかく良い。演奏が良い、サウンドが良い、録音が良い。

 未知なバンドも多数で良い。

29.Tad Overbaugh "Open Road & Blue Sky"

 ルーツ・ロックバンドKickbacksのリーダーのソロ最新作。

30.The Explorers Club "To Sing And Be Born Again"

 これぞ、サンシャイン・ポップ。

 シンフォニックさを出さずに、キラキラ感とゴウジャス感と、カラっとした乾いた空気感を見事に成り立たせている。

31.Spygenius "Man On The Sea"

 Byrds 系のアルペジオ・エレキ・ギターサウンドが心地よいパワー・ポップ。

 楽曲的にもネジレ感やオルタナ感は無し。シンプルでストレートなメロディーと演奏が心地よかった。

32.The Foreign Films "Ocean Moon (New Songs and Hidden Gems)"

 とてもドリーミーでソフトな演奏のパワー・ポップ。楽曲自体はとてもビートリッシュ。

33.Nite Sobs "Do The Sob!"

 Blow Pops を彷彿とさせる演奏、綺麗なエレキギター・サウンドで、60年代ポップスを継承するメロディーである。

34.The Successful Failures "Pack Up Your Shadows"

 カントリー色を濃厚に出し、まるで Eric Ambel 物のような感触で格好良い。

35.Harmed Brothers "Across the Waves"

 まるで初期の John Wesley Harding や Costello を思わせる抜群のポップセンスで聴かせる。

36.Geoff Palmer & Lucy Elli "Your Face Is Weird"

 スタルジー感タップリなメロディーのパワー・ポップ。

37.Garfields Birthday "Typically Stereo"

 R.E.M. 、Smithereens、Connells 等の80年代名バンドの名前が次々と浮かんでくるようなギターサウンド。

 楽曲もどこかフォーキーな香りがする。正に80年代USインディーズの正統継承者であった。

38.Jesse Dayton "BANJO & SULLIVAN THE LOST TAPES CD's"

 てっきり、ローファイで地味なレア音源集と思っていたので、ちゃんとしたプレス盤で、完璧なまでのバンド編成でしかも録音は完璧なハイファイで驚いた。

 これが限定販売とは実にもったいないCDである。

39.KELLY'S LOT "ANOTHER SKY"

 ボーカルは女性で、初期の頃の Lucinda Williams を彷彿とさせる。

 サウンドはもろに、Rom Russell なのである。実に心地よい。

40.The Palisades "Almost Night (2CD)"

 直球な Replacements 系ギター・ロック。しかし、メロディーが良すぎるので、パワー・ポップなのである。

41.Kurt Baker "After Party"

 これは驚いた。いつもの、パンキッシュでラウドなパワー・ポップサウンドを完全封印。

 今作はビーチ・ボーイズも驚きの見事なまでのキラキラサンシャイン・ポップで攻めまくり。

 うきうき、ノホホンで陽気なサンシャイン・ポップが格好良い。

42.V.A. " STRUM & THRUM: THE AMERICAN JANGLE UNDERGROUND 1983-1987"

 Mitch Easter がラベルシールに長文のコメントを寄せているのがすべてを物語っている。

 とてつもない神のようなラインナップのコンピレーションである。80’s USインディーズの宝箱である。

そして、印象に残った本は次の7冊でした。

1.碧野 圭「書店ガール5~7」

 第一巻は所詮ラノベ的な雰囲気で書店も本も道具扱いにしか見えなかったこのシリーズ。

 3巻目から本気を出したなという感じ。最終巻まで一気読みになってしまった。

 面白かった。

2.広瀬正「エロス」

 時間物というか、パラレル・ワールド物のSFであった。

 現在の物語に対し、もしあのとき、ああだったらというもしもの過去を語る並行物語。

 そして、最後には、語られていた現在こそが、現実世界から見たパラレルワールドだったというオチ。

 素直に面白かった。

 そして、小松左京の解説も見事であった。

3.高橋克彦「鬼九郎孤月剣」

 さすがである、ここまで娯楽性を持たせながら、とても複雑な入り組んだストーリーで2転3転どころの転がり具合では済まさない。

 そして、敵味方入り乱れての大団円。唸ってしまった。

4.原田宗典「こんなものを買った」

 中村うさぎ系列の買いモノ日記を期待して買った本。面白かった。横田順彌と中村うさぎが合体したような内容と文章だった。 

 読みやすく、軽妙。オチもちゃんとあった。

 この本以降、原田宗典のエッセイは見つけると買い続け、結局、6冊読んでしまった。まだまだ読みたい。

5.榎本憲男「巡査長 真行寺弘道」シリーズ

 一昨年、オーディオが登場する小説としてオーディオ雑誌に紹介されていて、読んだもの。

 このシリーズにはまってしまった。

 文章もストーリーも文句無しで、そのストーリーのアイディアはとても社会的でSF的なのも良い。

 最初はミステリーかと思ったが、いわゆるトリッキーな謎解きに終わらず、社会的なナゾに踏み込んでいるのが良かった。

 半村良や高橋克彦のSF物を思わせてくれた。

6.ロバート・チャールズ・ウィルスン「クロノリス 時の碑」

 面白かったが、グロテスクな描写、登場人物達の不幸な結末の多さ、そして救いの無い結末で読後感の気持ち良さは無かった。

 最後まで取っ散らかることなく、きちんとストーリー上の謎も回収されているのは良かった。

 クロノリスは未来の誰が作ったものなのか、ちゃんと解き明かされ、その以外な正体はいかにも時間SFな循環系のオチになっていた。

 只、最大のナゾである「クイン」の正体の最後のさらし方がたった一行の事実で済ませてしまったのは、ご都合主義的で残念であった。

 でも、文章、ストーリーとも上手かった。

7.里見蘭「古書カフェすみれ屋と本のソムリエ」、「古書カフェすみれ屋と悩める書店員」

 日常ミステリ物。文章や表現が実に上手い。

 新たな書き手を発見出来たうれしさを感じた。

 本が、日常に生じたふとしたナゾを解くカギになるという、ご近所ミステリでなかなか面白かった。

今年も色々なCD、本に出合いたいと思っています。

以上

| | コメント (0)

元日の日記

謹賀新年

今年からまた、日記を始めたい。

先ずは元日初日の日記。

朝3:30に起床。

一昨日は大晦日ながら、いつも通り19:00に就寝してしまった。

大晦日の各種特別番組は一通りBRに録画していたので、朝はそれを見ながらのんびり。

先ずは紅白。興味のない歌は早送り。

結局、連ドラエール関連のコーナーを残して他は削除。

朝飯替わりのリンゴと、クリスマスケーキの残り(ホールケーキモンブラン)を食べてようやくクリスマスケーキは完食。

これで残りのクリスマスケーキはチョコレートケーキのみとなった。

今週中に食べきれるかどうか。

朝9:00過ぎに、近場の地元神社に初詣。

人は殆どいない状態でスムーズにお参り。

そのまま秋葉原に直行。

目的は、「肉の万世」での昼食。

1ポンドハンバーグを予定通り食し、御飯も予定通り2回のお代わり。

腹も膨れて大満足。

そこで次の予定はお茶の水に移動してディスクユニオンへ徒歩で移動。

しかし、ユニオンは元日休業。

まあ、良い腹ごなしになりました。

秋葉原に引き返してブックオフへ。

元日から全ての本が2割引きということで張り切って入店。

オルガ・トカレチュク辺りを探してみましたが、既に持っているものしかありませんでした。

で、成果は2冊。

・半村良「昭和悪女列伝」(集英社文庫)

・カート・ヴォネガット・ジュニア「ガラパゴスの箱舟」(ハヤカワ文庫)

半村良は、ずっとSF作品は読み続けてきたものの、非SFは時代ものも含めて読んでいなかったので、非SFものも読もうと気持ちを入れ替えたもの。

カート・ヴォネガットは、興味はあったものの、読むには至っていなかった。300円以下で買えそうなものを買い集めていて、見つけた。

何となく持っていそうな気もしたけど、持っていなかった場合の後悔を考えると怖いので、ダブリ覚悟で購入。

で、この2冊だけで帰宅。

早速本棚を確認したら、「ガラパゴス」は購入済みだった。

またやってしまったと思ったが、まあ、今日の本は帯付きだったので、アナザー本として完全タブリではなかったこととし、「良し」としました。

郵便受けには二つの小包と年賀状の束。

小包二つは、アマゾンに注文していたSFマガジンバックナンバー(1972年2月号)と、CD。

SFマガジンバックナンバーは、眉村卓「枯れた時間」の収録狙い。

最近、眉村さん作品の再読を行っていますが、中高大時代に読んでいた作品は全部実家にあって今の住処にないので、買い直しています。

出来るだけオリジナル出版物で。

「枯れた時間」は中学の時に文庫版で読んでいるけど、この文庫版がなかなか見つからないので、最初の掲載雑誌を探しました。

読むのが楽しみです。

CDはRobert Gordon の最新作 "Rockabilly For Life"。

ゲスト参加がとにかく豪華。

全15曲全てにゲストをフィーチャーしているコンセプト。

私の狙いのゲストは Dave Alvin 。

聴くのが楽しみです。

今年最初の入手CDでした。

そして今年最初のCD聴盤は、オムニバスCD「BIG Stir Singles : The Eighth Wave」。

これは、ギター・ポップ~パワー・ポップの超優良専門レーベルである "Big Stir Records" のシングル盤を集めたCDの第八弾。

今作でも、綺麗な響きのアコースティック・ギター、エレキ・ギターを全面にフィーチャーしたギタ・ポップ~パワー・ポップを堪能。

Beatles や Byrds、そして初期 R.E.M. のようなサウンドと楽曲が満載の全20曲。

官能的な快楽すら味わえた一枚でした。

以上

| | コメント (0)

2016年11月 6日 (日)

神田古本まつりの成果です。

神保町の古本まつり。
先週は行けなかったので昨日行ってきました。
最終日の一日前ということで、めぼしい本は無くなっているだろうなあと思いながらも、「残り物は...」という期待も込めての参戦でした。
それにしてもまあ、人の多いこと。
普通の週末の何倍もの人出の多さに正直辟易。
通行さえままならない状況でした。
出店棚の前はどこも人の壁で、なかなかじっくりと本を探すことは出来ません。
却ってストレスがたまりそうです。
それでも人垣の隙を見つけては入り込んで何か出物は無いかと一通り全店を眺め渡し、結局出店からの戦利品はゼロ。
まあ、おまつりなので、人出そのものを楽しむのが良いのでしょう。
とは言いながらも何も買わないのもつまらないので、普通のお店も見て回り、結果2冊だけ購入しました。
一冊は堀晃「漂流物体X」。
理系ハードSFは苦手な部類と思って堀晃さんの作品には手を出していなかったのですが、たまたま短編集「太陽風交点」でその認識を新たにしたところでした。
なので、せっかく見つけたこの本を購入。
おまつりのおかげか、付いていた価格の半額で購入出来ました。
そしてもう一冊は眉村卓「ながいながい午睡」。
「ながいながい午睡」だけはなぜか文庫化も再版もされていません(私の知る限り)。
収録されている作品の一部は他のタイトルの文庫に収録されていますが、全作を読むにはこのオリジナル本を読む以外に手は無いのですね。
この本は既に持っているのですが、帯無し本です。
今回見つけたのは帯付き本なので、ならばと思い購入しました。
実は半年ほど前に発見していたのですが、値段が結構行っていたので購入をずっと見送っていました。
実質、帯だけを買うのと一緒なので。
この帯付き本はしばらくするとその書店の棚からは無くなっていて、無くなると無性に「やっぱり買っておけばよかったかな」と少し後悔していたのです。
それが昨日再び目の前に現れたので、「これはもう買え」という神のお告げだな、と思い素直にそのお告げに従いました。
Uni_0510_2









Uni_0511_2









ついでに、「本迷宮」で私が購入した3種のカバーです。
Uni_0512_2










| | コメント (2) | トラックバック (0)

2016年8月14日 (日)

沢田聖子 シングルだけのコンサート 一日限りの「シングルライブ」 参加日記です。

8月11日は、色々な意味で最良の一日でした。
その1.早朝、リオ・オリンピック器械体操男子個人総合種目で、内村選手の金メダル獲得の瞬間を生放送で見れたこと。
興奮。
いつもは独り別次元で圧勝の内村選手が、今回は大差で最後の種目まで追う立場でしたから、こういう手に汗を握るような、あるいは、今回は駄目かもと諦め感を持ってしまうような展開は初めてでした。
しかし最後の鉄棒でしびれるような完璧な演技。
正に全てを出し切ったと思える最高の演技でした。
後は最終選手ベルニャーエフの演技を見守るばかり。
正直、ミスしろと祈りながら。
しかし、こちらもミスはほとんどなし。
空中離れ技に宙返りが無く、飛び越し系のみで難易度が明らかに低かったこと、飛び越し技の後の車輪で肘が曲がったこと、フィニッシュ前の車輪で鉄棒の握り移動があったこと、そして最後の着地で弾んで両足で一歩動いたこと等がありましたが、0.9の差が縮むのかどうかは微妙でした。
しかし、審判はちゃんと判定していたのです。
点数が出た瞬間に優勝が決定し、とても興奮しました。
その気持ちの良い興奮のまま、沢田聖子さんの一夜だけの特別ライブ。
シングル曲だけで構成した「シングルライブ」に出かけることが出来ました。
実は私は有料のライブコンサートに出かけるのは初めての経験なのです。
聖子さんのトークは正に炸裂。
話には必ずオチを付け笑いを取る。
見事。
2時間半はあっという間でした。
イルカ、桃井かおり、薬師丸ひろ子らの軽いものまね(かなり上手い)を交えながらの爆笑トークノオンパレードでした。
先ずは今日のステージファッションのお話からスタートです。
オーバーオールというラフないで立ち。
デビュー当時の雰囲気を演出ということだそうです。
このいで立ちにもオチが付けました。
下北の古着屋で何と500円台で購入ということで大はしゃぎ。
そしてステージ後方の大スクリーンにプロジェクターを使って今日の演目となるシングル盤達のジャケット写真を順番に映しながら歌うという心憎い演出。
プロジェクターを思わず「スライド」と言ってしまい、会場から笑いを誘っていました。
「今日はシングル曲だけを歌うシングルライブ。
過去だけを振り返ります。
前は一切見ません。
そんな一日があっても良いのではないでしょうか。」
という、印象的な開幕の辞で始まりました。
歌を唄ったあとには、各シングルの作詞、作曲、編曲について、一曲ずつ丁寧な解説を語りながらの丁寧な進行でした。
そして、各曲にまつわる聖子さんの思いや当時のエピソード、裏話など、盛りだくさんのトーク。。
沢田聖子さんはシンガーソングライターという印象があったのですが、
15枚のシングル中、彼女の手によるものは3曲だけというのが意外でした。
B面の曲には彼女の作品が結構収録されているのですが、A面というのはなかなかなかったようです。
以下、11日のライブで記憶に残っているお話等を書いてみます。
何らかの記録を残しながらライブに参加していたわけではないので、記憶違い、聞き違い多数と思いますが、まあ個人的な備忘録の意味合いです。
先ずはデビュー曲の「キャンパススケッチ」から。
デビューまでのいきさつをタップリ話してくれました。
赤ちゃんモデルでパンシロンのCMに出演、ソバ屋のケンちゃんへの「ふじこちゃん役」での出演。
そしてイルカの妹オーディションへの参加、かんべさんに見いだされてデビューという流れを、楽しいエピソードを交えてタップリ。
ソバ屋のケンちゃんでは観客いじりもたっぷり。
特に面白かったのは、イルカ妹オーディションのお話。
当時、フォーク界も今後の売り出しは、太田裕美路線で、ルックス重視ということで書類選考されたのだそうです。
そして見事に選ばれたのが聖子さん、かと思ったら、隣に写っていた女の子が選ばれたのだそうです。
ところが、その子が実際に歌う日に別の仕事が入っていて行けず、変わりに聖子さんがいかされたのだそうです。
写真で指名した子とは別の子が来たけど、とりあえず歌わせてみようとなったそうです。
上手く歌えなかったけれど、イルカ事務所のカンベさんは気に入ったようで、デビューを約束してくれたというお話でした。
スクリーンにシングルジャケットが映しだされてから10分以上はトークだったと思います。
達者なトークです。
そしていよいよ歌。
生で聴く「キャンパススケッチ」、見事でした。
CDで聴いていた印象と大きく変わるのかと思っていたら、実に変わらなかった。
勿論楽器編成の違いやアレンジ違いはあるものの、聖子さんの歌声の変わらなさが見事。
ハスキーさと透明さが絶妙に混じり合った綺麗な声が伸びる伸びる。
アコースティックギターを掻き鳴らしながらの出だしは絶好調。
高域のメロディーラインも詰まるような感じは一切なく、上手いなあ、変わらないなあと感動しっぱなしでした。
2曲目は「シオン」
歌う前に、「キャンパススケッチ」での自分の長いトークに触れ、「今日はこれで最後の曲になります。ありがとうございました」とオチを付けてからの歌いだしでした。
ハンドマイクでボーカルに徹しました。
しっとりと優しく歌い上げてくれました。
ここで(だったかな?もうちょっとあとだったかも知れませんが)、イルカさんと聖子さんの作曲の違いなども話してくれました。
聖子さんは、歌謡曲を聴いて育ったそうです。
なので、自分の作るメロディーは、最初低調に始まり、Bメロで少し雰囲気を変え、サビで盛り上げるという分かりやすい曲だと言います。
対してイルカさんは洋楽を聴いていたそうで、サビでもあまり盛り上がる感じはないのが特徴ということでした。
3曲目の「坂道の少女」
当時はこの歌の歌詞の意味が分からず歌っていたそうです。
ジャケットで着ていたセーラー服は学校の制服ではなく、本当の水兵さんのセーラー服だったそうです。
4曲目「星空のメッセージ」
5曲目「春」
6曲目「雨の日のサンシャイン」
ここで聖子さんの学生時代の恋愛トーク。
通学するバスの中に気になる男子学生がいて、満員ギュウギュウ詰めの車内では話せる機会もなく、話すきっかけを作りたいと考えていたそうです。
麿顔のサッパリ系男子だったそうです。
先に乗り込んでいる聖子ちゃんは車内奥に押しやられ、あとから乗る男子学生とは決して近くになれない。
近くになれば、バスの停車時のブレーキに乗じて体をぶつけで「ごめんなさい、お名前は?」と話しかけるシナリオだったそうです。
そして何とかようやく話すきっかけが作れた時かけた言葉は「お住まいは?」だったそうです。
名前ではなく、住んでいる場所を聞き出したというのがミソ。名前は探り当てていたようです。
その後が、怖いエピソード。
友達と二人で、彼の住んでいる町の「XXさん(彼の名字)」当てにかたっぱしから電話をして捜索活動を行ったということです。
そしてようやく彼の自宅の電話に辿りついた時に、「やったあ~」と友人と喜びあって、それで終わったとのこと。
探し当てた達成感で満足してしまったというオチでした。
そして7曲目の「卒業」。
ミュージシャン人生最大のヒットで、オリコン50位まで行ったそうです。
イントロの半音ずつ音階が変わるところを聴いて、難しそうでやだなあと思った、又、思わずコサックダンスを踊りたくなるようなメロディーが続きます。
と冗談混じりのトークも。
この頃は聖子さん自身の短大の卒業の時期と重なっていたそうで、でも、聖子さんは単位が足りなく、当時の教授から色々厳しい指導を受けていたそうです。
もう留年かという思いを持ちながら歌っていたと、裏話を披露。
8曲目「あなたへのバースデイカード」
「卒業」のヒットから、この作品も同じ作曲者(加藤和彦)にお願いしたそうです。
タンバリンを軽快に叩きながらノリノリで歌います。
タンバリンのリズムは裏拍子。
会場からも、タンバリンに合わせて裏拍子での手拍子。
会場全体がノリノリになっていました。
しかし、だんだん手拍子がバラついてきて、歌う聖子さんも思わず笑いをこぼす。
そして「自由に叩いて」と会場に応援。
バラバラになる裏拍子の調子っぱずれになる会場の手拍子に惑わされることなく、きっちりとノリノリで歌い切ってくれました。
9曲目「ドールハウス」
10曲目「季節」
このシングルから日本フォノグラムに移籍となり、サウンドも大きく変化していったとのこと。
色々大人の事情があっての移籍だったそうです。
11曲目「都会人」
ジャケットはどこかのバーのカウンターを思わる大人の雰囲気に感じたのですが、実はこれはレコーディングスタジオで、コンソールブースの中にいるのを撮影したとのことでした。
聖子さん本人はこのジャケットの写りがとても気に入らなったようです。
光が鼻にあたっていて「まるでバカボンの鼻」と言っていました。
言われてみれば確かに、バカボン鼻。
このしっとりとした大人なムードのジャケットに見事なオチの解説でした。
12曲目は聴き覚えのない曲で、何だろうと思ったら「都会人」のB面「思いちがい」でした。
この後、今回のシングルライブ開演のきっかけになったMEG-CDの話題。
サークルKサンクス企画のキャンペーンは大好評で、3月のキャンペーンのCD売り上げは5千枚だったそうです。
そして今回のシングル盤。
売り上げ1位は12インチシングルで収録3曲中2曲が未CD化の「ナチュラル」。
「そして2位はなんでしょう?」という問いかけを会場に振りました。
私は「ナチュラル」と同様、B面の曲が未CD化の「風色のチャンス」と思っていて、実際に私が購入したのもこの2枚でした。
しかし、予想に反し、聖子さんから「今まで歌った中の曲ですよ」というヒントが。
あれ?「風色のチャンス」はまだ歌っていないから違うんだ。どの曲だろう?
と意外に思っているところで正解を発表。
やはり「風色のチャンス」なのでした。
そしてすかさずギター奏者の林さんが「まだ歌ってないよ」という厳しい突っ込みを入れてきて会場が大爆笑。
聖子さんは盛んに「海馬が、海馬が」と言って笑っていました。
13曲目「あなたからフェードアウト」
これはミニアルバム「アンジェーヌ」からのシングルなのですが、聖子さん本人は覚えていなかったとのこと。
14曲目「風色のチャンス」
15曲目「ノンストップエレベーター」(風色のチャンスのB面)
16曲目「ポニーテール」(「ナチュラル」のB面)
17曲目「ナチュラル」
この頃、事務所を止めたいとずっと悩んでいたそうです。
悩みを事務所に打ち明けると「じゃあ止めるか」ととてもあっさりとした反応で聖子さんはがっかりだったそうです。
アイブアルバム「イノベーション」の時にはイルカ事務所を止めることが決まっていたそうですが、ライブでもそのことには触れていなかったそうです。
今でも「イノベーション」は聴くのがつらいので聴いていないとのことでした。
イルカさんが花束を持って駆けつけてくれたそうで、その後は涙で歌えなかったそうです。
18曲目「冷たい言葉で傷つけて」
これが最後の曲になりました。
歌う前に「今日はこれが本当の最後の曲で、アンコールは用意していません。」
と断りを入れて思い入れを強く込め、ラストに相応しい歌い上げでした。
歌い終わると「みなさんくれぐれもお体には気を付けて下さい」と会場の年齢層を配慮したトークで会場を和ませて閉幕となりました。
時計を見ると19:30。
2時間半の充実のライブでした。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

TAD-D600が故障~修理~そしておみやげが...

ほぼ一か月前のことでした。
CD/SACDプレーヤー TAD-D600が故障してしまいました。
プレーヤーの操作ボタン一切が効かなくなってしまったのです。
電源スイッチのオン・オフから効きません。
でも、時々思い出したかのように効きます。
最初はリモコンの電池切れだと思いました。
購入したのは2010年ですから、まる6年経ちます。
これまでリモコンの乾電池の交換をした記憶がありません。
そこで電池交換をして操作をしましたがそれでもスイッチ類は反応しません。
本体のスイッチを直接操作しても全くダメでした。
本体外付けの電源ボックスの電源オン・オフ操作によって、プレーヤーの操作も一時可能になったりしましたが、しばらくすると操作不能になります。
完全に故障でした。
気持ちが大きく沈んでしまいした。
修理代はどれくらい? 
26キロもあるプレヤーの2階の部屋からの搬出と箱詰めはどうしよう? 
運送業者はどこに手配すれば?最近は宅配は扱ってくれないようだし...
色々頭に浮かび憂鬱でした。
購入後6年経過しているので、勿論保証期限切れです。
修理に出すにも、最近は宅配ではオーディオ機器は取り扱わないと公言されています。
先ずどこに修理の依頼をすべきか考えました。
TAD社に直接依頼するか、購入店に相談するかです。
購入店とは言え、TAD-D600購入以降は、その一年後にTAD-C600を購入したきりなので、丸5年全くコミュニケーションを取っていませんでした。
果たして相談に応じてくれるかどうか。
とは言え、先ずは購入店に相談しようと思い、メールで故障の旨と、修理に出すための手続きを素直に相談させて頂きました。
6月20日の19:00頃でした。
そしたら、直ぐに自宅の電話が鳴ったのです。
購入店の方が直ぐに応対してくれたのです。
これだけでも嬉しかったのに、電話で改めて症状をお話しすると、メーカーに先ずは聞いてみますということで一旦電話を切り、その後直ぐにメーカーからの故障復旧案を教えて頂いたのです。
結果としては、その復旧案でも症状は変わらずでしたので、本格故障ということで修理に出すことになりました。
そして、修理品の引き取りはその購入店が直に行ってくれる、とてもありがたいお話でした。
7月3日に自宅まで引き取りに来て頂き、故障品を2階から降ろして箱詰めまでして頂き、持ち帰って頂いたのです。
本当にありがたかったです。
週明けにはTAD社に故障品を専用便で届けて頂き、数日後には修理代金の見積もりも頂きました。
修理代金は予想より安く済みました。
そして7月23日、修理が済んでTAD-D600が無事に帰還しました。
お店の方が直接届けてくれたのです。
この時に、TAD社の方も同伴され、TAD-D600の電源ボックスと本体の2筐体を2人で2階でま運んで頂き、設置までして頂きました。
私はただお二方の作業を見守るだけというとても楽な役割で済んでしまいました。
何と、修理品を納入頂いただけで、新規購入は無いにも関わらず、最後にはTAD社の刻印が入った記念品まで頂いてしまいました。
まるで新規購入のようなご対応に感動です。
しかし。
この時とんでもない「罠」が仕掛けられてしまったのです。
TAD-D600専用のグレードアップ用DCケーブルTAD-LN0208(電源ボックスから本体に電源を供給する2本(クロック用とそれ以外用)の特殊構造の電源ケーブルです)を試聴用の貸し出しとして置いて行かれたのです。
「2週間後ぐらいに、着払いで返品頂ければ良いですっよ」とのことでした。
「修理品だけを納めて帰るのも芸がない、何かイベント的なことも提供したい」というお二方のお気持とのことでした。
しかしこれが本当に親切心だったのか、罠を仕掛ける企みだったのか、今になって思うと明らかに後者ではなかったのかと思っている次第です。
貸出しを受けたDCケーブル(2本)は標準価格(税抜き)で6桁も行く高額品です。
オリジナル付属品に比べて一回りも二回りも太く、重さもズシっとくるケーブルです。
このケーブルは発売時にオーディオ関係のニュースとしてあちこちのサイトや雑誌にも紹介されていましたし、TAD社からも紹介資料が送られてきたりもしました。
しかし、高価格なだけに全く買いたいとは思いませんでした。
ただ、実は、TAD-D600を購入した時に、付属のDCケーブルが電源ケーブルにしては細い感じがして、ちょっと気にはなったのです。
現在私が使用しているケーブル類を製作したメーカーの方に、このDCケーブルの特注は出来ないかと相談を持ち掛けたことはありました。
その時には、9ピンの特殊構造ケーブルなので難しいという返事でした。
そんなわけで、DCケーブルに興味はあったのですが、購入意欲までは湧いてきませんでした。
そのDCケーブルのTAD純正のグレードアップ製品を貸出用に持ち込んで頂いた訳ですから、これは聴かない訳にはいきません。
果たしてどれだけの音の差となって現れるのか、興味津々でした。
価格からしたら、普通に高級オーディオ機器が何か買えます。
ちょっと足したら、オーディオテクニカのAT-ART1000も買えます。
なので、一応は試聴はするけれど、購入検討など全くする気にもならないまま返却することになるだろうと高を括っていました。
TAD-D600のDCケーブルはグレードアップ版が接続されていました。
故障中に聴けなかったCD達から聴き始めました。
直ぐにとても違和感と驚きに捉えられました。
TAD-D600が故障中には、マランツのSA-7S1で聴いていたのですが、そのS1の音に慣れていたせいかもしれませんが、どのCDを聴いても、とても音の鮮度が高く、そして力強いのです。
又、音像の焦点感も強く、反面、音場感がとても広いのです。
TAD-D600の音がもともとマランツと比較しても高いレベルであったことは間違いないのですが、自分が思っているレベルの差よりもより大きな差に感じられたのです。
「これは、たまたま新しいCDの悉くが録音が良いからなのか?」
と思ってもみたのですが、そんなことはあり得ません。
70年代のロカビリーや、00年代のパワー・ポップで、こんな音は聴いたことがありません。
それならばと、新規機器購入やセッティング変更時に必ず聴くことにしている定番のCDを取り出しました。
録音の良いCDも録音が普通のCDも両方含んでの私なりの音質チェック用CD達です。
いやあ、驚きました。
TAD-D600でも何度も聴いていて、聴こえ方を覚えているCD達が、初めて聴くCDであるかのように新たな聴こえ方だらけになってしまったのです。
こういう聴こえ方の新鮮さは、パワー・アンプをアキュフェーズP5000からA65に変えた時と同じような、
或いはCDプレーヤーをアキュフェーズDP-700からTAD-D600に変えた時と同じような新鮮さだったのです。
低域のマス感、密度感が増量。ベースが唸る唸る。
音場が広がる広がる。
音像が空洞の張り子ではなく、無垢のように中身がぎっしり詰まって像として迫ってくる。
波音はしぶきの粒子や波の数が増えている。
しかも、それまでは波の音だけしか聴こえなかったところに、かすかながら鳥の鳴き声まで聴こえ出したのです。
脅威でした。
とても大きな変化でした。
TAD-D600自体のグレードアップ手段は無いと思っていましたが、あったんですね。
とにかく、それからというもの、毎日聴く「音」に感動している状況なのです。
音像の密度感が強烈にアップし、実在感がすごい。
そして低域の力量。
パワー・アンプをレベルアップした時と同等の変化が明確に現れました。
スピーカーのセッティングし直し(壁距離の見直し)が必要かなとまで思いました。
そりゃ、6桁も出して何も変化が無いようじゃ困ります、とは思いますが、変えたのはDCケーブルだけです。
このケーブルを導入することで、パワー・アンプのグレードアップと同等の効果が得られることが分かってしまいました。
正直、オリジナルの付属DCケーブルに戻すことが怖くて出来なくなってしまいました。
戻すことで、それまで毎日味わっていた感動を味わえなくなることが怖くなってしまったのです。
次の日曜には返却しなければならない、その時のがっかり感を想像出来てしまったのです。
本当に困ったものです。
これが罠だったことに気づいた時には「時、既に遅し」です。
もう聴いてしまったのですから。
お二方の見事なまでの「イベント」の罠にはまってしまいました。
お二方は絶対に分かっていたと思います。
このDCケーブルは一度聴いたら絶対に手放せなくなることを。
まんまと罠にはまった私は、お二方の予想(期待)通り、もう戻れない状態になってしまいました。
聴き始める前の、あの「絶対に購入検討すらする気にならない」という自信は何だったのか。
これもう選択の余地はありません。
あとは、この高額のDCケーブルを買うことの正統な理由を自分に向けて付けるだけなのです。
TAD-D600がグレードアップされた、その差額だけでグレードアップ版を購入出来た、そう思うことにしたのです。
新品のDCケーブルは先週の日曜に届きました。
受け取りと同時に、貸出品を返却しましたので、もう一度も標準版には繋ぎ変えてはいません。
毎日、どのCDを聴いても、ずっと、初めてグレードアップ用DCケーブルを繋いで出た音を聴いた時と同じ感動を味わっています。
修理のご対応を含め、こういう付き合い方が出来るのはリアルショップならではなのかなと改めて思いました。
TAD-D600をご使用の方はご注意を。
安易な気持ちでTAD-D600のDCケーブルのグレードアップ版を試聴するのは止めておいた方が良いですよ。
ほぼ間違いなく、資金調達の算段が必要になりますので。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2016年4月 8日 (金)

眉村卓×日下三蔵スペシャルトークショーに行きました。

昨日ですが、行ってまいりました、「眉村卓×日下三蔵トークスペシャル」。
簡単ですが(ちょっと長文ですが)ご報告させて頂きます。
とても濃い2時間強で、とても短く感じた2時間強でした。
お話は完全編年体。
眉村さんの「文芸事始め」とでもいうべきエピソードからスタートです。
学生時代から始まりました。
既にエッセイ等で読み知っていたエピソードも、ご本人から直接語られるのはとても新鮮。
漫画、俳句、詩、そして小説へと創作の遍歴が語られます。
勿論、柔道のことも。
そして会社へ入社した時のエピソード、会社員生活のこと、作家として一本立ちした背景等々、本当に濃く深いお話ばかりでした。
宇宙塵、ヒッチコックマガジン、SFマガジン、EQMM、小説現代、サンデー毎日、各雑誌とその最初の掲載にまつわる担当編集者や編集長との面白い絡み、そして、そうそうたる名前が軽々と飛び出して来ます。
長編「燃える傾斜」の出版にまつわる、東都書房 原田さんとのお話。
短編集「準B級市民」の出版。
「幻影の構成」にまつわる創作エピソード、「EXPO'87」にまつわる創作エピソード。
そこから、ビッグビジネス、産業将校のお話になり、「司政官」のお話にもつながりました。
とにかく「そんなことがあったのか」「そうだったのか」「そういうことなんだ」のオンパレード。
そして眉村さん自身が語る「インサイダー文学論」の解説もあり、私は一人で興奮していました。
勿論、SF作家達との数々のエピソードも盛りだくさん。
SFマガジン史上特筆すべき事件の覆面座談会に関するお話、眉村さんが取られ立場、その後のSF作家達との交友関係の変化も語られました。
短編「帰らざる空」にまつわる豊田有恒さんとのエピソードも、文庫の解説で豊田さん自身が書かれていたのを知っていたので、豊田さんが思っていたことは知っていましたが、眉村さんが実際にどのような気持ちで豊田さんに掲載誌をお見せなったかが語られ、やはりそういう
ことだったのかと、眉村さんの優しさ、そして当時のSF界の人的交流の深さ(友情感)を改めて感じました。
更にお話は「なぞの転校生」「ねらわれた学園」のジュブナイル物のエピソードも入ります。
「なぞの転校生」のお話の時には、タイトルの付け方について語られ、次に、学年誌連載から単行本の出版までの期間が長かったことについて語れました。
なぜ人気があったにも関わらず単行本化が遅くなったかなどです。
学年誌の付録として文庫体裁の本が付けられたりしていたこともその要因といったお話の時に、会場の中から演題上のブックスタンドに一冊の本を立てるという出来事がありました。
なんと、古本で有名なKさんが持参していた学年誌付録の単行本を出されたのです。
会場内は「おお~」という感嘆に包まれました。
そして「司政官」、「消滅の光輪」等に進みます。
SF創作における設定の重要性を語られた上で、その対極とも言える個人的な体験を中心に据えた「ぬばたまの」等の異世界物のお話に進み、時間切れとなりました。
19:40分ごろから開演し、予定時間の21:00を遥かに回った21:40分頃で終了となりました。
時間が大幅に回ったにも関わらず、そこから質問コーナーが開始です。
ここでも面白いお話が語られました。約10分でした。
眉村さんのお話はとても流暢で、分かりやすく、感嘆と爆笑に彩られたとても濃厚な2時間強でした。
最後には、眉村さん手書きの作品タイトルノートを披露されました。
全作品のタイトルが、雑誌に掲載されたものもされなかったものも全て書き留められているものです。
眉村さんの几帳面さが表れた一冊です。
最後の方は眉村さんも面倒になったとかで、代わりに奥様が書かれていました。
こんな貴重な資料も直接見ることが出来てとても充実した時間でした。
最後に、出版芸術社の主催(?)による既刊本の即売サイン会となりました。
私は密かに近刊本が先行発売されることを期待していたのですが、それは無しでした。
でも眉村さんが講演途中の休憩時間中に、「次に出る本の帯には「最後の短編集(おそらく)」と書かれるかな」などと冗談交じりなお話をされていたので、次の単行本は近いかなと期待しています。
勿論、「最後の」という文句は書かれていないものをです。
そこで販売されていた本は既に持っていましたが、実はサイン会狙いで、私はスベントンの単独シリーズ化前の世界児童文学名作シリーズ版の「迷探偵スベントン登場」を持参していました。
その本に是非サインを頂きたいと思っていたのです。
サインを頂く権利獲得のため、「異世界コレクションⅢ」を購入し、その本にサインを頂いたあとに、こそこそと「こちらの本にもサインを頂けますか」とスベントンを差し出しました。
「これはこれは」と眉村さんは快くサインをしてくれました。
脇でサポートしていた出版芸術社の方も「うわ! スベントンですね。これ図書館でしか見たことがないです」と驚いてくれました。
で、一番驚いて反応をしてくれたのは、この様子を私の後ろで見ていた古本有名人のKさんでした。
「スベントンの最初の本で、箱入り、しかも帯付きですか。すごいですねえ~!」とお褒めの言葉を頂いてしまいました。
実は私、今年、スベントンシリーズを全6冊(世界児童文学名作シリーズの一冊と、単独シリーズ化されたあとの5冊)を、全て手中に収めることが出来たのです!!
このサイン会の懇親会の中で、Kさんもスベントンシリーズは3冊しか持っていないと話されていて、私が6冊を全て入手出来たのは本当に奇跡だなと改めて思いました。
懇親会の最後には眉村さんと名刺交換もさせて頂きました!!
23:30を回り、まだ懇親会は続いていましたが、私は終電の関係で途中退出となってしまいました。
「それにしても、ここまで濃厚な4時間はこれまでも無かったなあ」と一人興奮しながら帰途に着きました。
最初のスベントン本に目の前で眉村さんご本人からサインを頂き(イラストには、虫眼鏡をもったタックンを書いて頂きました。探偵に掛けてだと思います)、名刺まで頂戴出来、最高・最幸の一日でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年2月 7日 (日)

私的なオーディオ的ベストCDです。

南国さん、大変お待たせしました。
頂いた「音のいいCDトップ10」のリクエストにお応えしてみます。
SACDも含めて、自分の所有物の中から選択してみました。
本当に個人的な感想を前提にした選択ですので、全く異なる意見もあると思います。
その辺りは平にご容赦をお願いします。

私にとっての「オーディオ的に良い音」は次のような条件を満たす音です。
・音の前にベール感がない。
・音像はピントがビシッと定まり、ぼけた感じがない。
・音像の輪郭が自然で強調感がなく、実在感がある。
・高域の音の響きが自然に伸びていて、詰まった感じがしない(極端に詰まった例が、電話受話器からの音)
・低域は塊(かたまり)感があって、ズンとくる。
・ボーカルは何と言っても実在感。歌っているときの口の動きが見えるようなもの。

などと書きましたが、これらを条件に選び直したというよりも、いつもオーディオ的な聴き方をする時に使用しているCD達になります。
紹介順は特に順位等とは無関係でランダムです。

「鳥の楽園セイシェル」
Photo80年代に購入したCDで、今でもオーディオ機器を購入したり、試聴会で持ち込みが出来る時に音の判断用に聴いているCDです。
波の動き、波が砕けて泡立ち、そして霧のような細かいしぶきになる様を聴き比べます。
頭上を飛び交う鳥たちの動きも大きな要素です。
スピーカーを無視してこれら自然の動きが感じられることが、オーディオ的な大きな快感です。
ボリュームは通常聴く場合の1.5倍位にして聴きます。
現実世界の自然な音量に近づけることで本当にその場で波と木々と風と鳥たちに立ち会っているような気持ちさせられます。
冬だというのに、夏感に包まれす。

藤田恵美「Camomile Best Audio」
Photo_2SACDハイブリッド盤です。
ボーカルを含めて、空間に浮かび上がる音像が魅力的です。
空間に配置される楽器達がとても浮遊感があり、演奏ライブ的なリアル感は薄いのですが、楽器達が自由な空間に定位する様はとても幻想的です。

「プティ・バロック ~バロック小品集~」
Photo_3このCDは「マイスターミュージック」というレーベルのもので、このレーベルではステレオペアマイクのワンポイント録音が特徴です。
このCDは特定アーティストのアルバムではなく、レーベルサンプラー盤のようなもので、色々なアーティストの演奏が収録されています。
楽器毎にマイクを配するマルチ録音ではないので、自然な音場感が魅力になります。
又、空間には暗騒音が漂っており、スタジオ録音とは違ったステージ録音の魅力が分かります。

楽器の音色が自然に録音ステージ内で溶け込み合うハーモニーの魅力です。
楽器同士の距離間がとても自然で、音像も変にクッキリ感がなく、人工的ではない臨場感に包まれます。
しかし、ハンドベル演奏では、ベル個々の演奏の移動がとてもリアルでまるで映像を見ているかのようです。

Alan Parsons Project 「Anmonia Avenue」(SHMCD 紙ジャケ盤)
Alan_parsons80年代ポップスの名盤の一つと思います。
Alan Parsons Project のアルバムは録音の良さは定番だと思います。
ベール感が全く無く、音のクリア度は特筆ものと思います。
シンセサウンドとアコースティック楽器のアンサンブルによる響きのハーモニーの美しさは緻密なスタジオ作業における職人技の結晶だと思います。
音のシャワーを全身に浴びて、髪の毛一本から足のつま先までの全てを洗い清めてくれるような心地良さを味わわせてくれます。
オーディオ雑誌ではいつも優秀録音盤として取り上げられていました。
一番SACD盤に相応しいアーティストだと思うのですが、私が知る限り、リマスター盤は何度も出ていますが、SACD盤は未発売です。
不思議です。

Tom Petty & The Heart Breakers 「Echo」
Tom_pettyメジャーロック系でオーディオ的にハッとするような録音というものはあまりないのですが、このアルバムは驚きました。
Tom Petty のボーカルが、目の前でマイクに向かっているようなスタジオ感ですごいのです。
とても生々しく、彼のボーカルだけが切り取られて上から貼り付けられているような錯覚を覚えます。
バックの演奏に溶け込んでいない感じが、逆にすごみになっていてとてもオーディオ的に魅力的なのです。

John Butt 指揮 Handel 「Messiah(Dublin version, 1742)」
Messiahこれは、Linn Records のSACDシングルレイヤー盤です。ハイブリッド盤ではありません。
マルチ録音とのことですが、さすがはクラシック、音場感は素晴らしいです。
各楽器の音色もとても綺麗で澄んでいます。
チェンバロの軽やかで清楚な音色が効果的と思います。
部屋が清浄な空気に満たされているというそんな清々しさを感じさせるものでした。
ボリュームを上げるほどに部屋の空気が澄み渡ってくる、そんな空気清浄機のような効能のある盤です。
クラシックにありがちな重厚感のような重苦しさを全く感じさせないのが好みです。

諏訪内晶子「バッハ:ヴァイオリン協奏曲集」
Photo_4こちらは重厚さが魅力なクラシック演奏物。
ヴァイオリンの音色が重厚なオーケストラに埋もれることなく、鮮明に且つ明瞭な存在感を持って響きます。
ボリュームを上げれば上げるほど音場は壮大にどこまでも膨張し、無限の空間に広がり続けるかのようです。
しかし、楽器の存在感はリアルなまま、眼前にとどまり続けます。

Nachu「雲の上はいつも青空」
Photo_5アコースティックギターとフルートのデュオでインスト物です。
ハイブリッドSACD盤です。
クラシックではなく、おしゃれなポップスという雰囲気です。
フルートの音色が鮮明で、吹いている口元は勿論、指の動きまで見えるかのようです。
ギターの音も厚みがあり、メロディーを奏でる主役のフルートに負けない存在感です。
二つの楽器の対等なアンサンブルと音のハーモニーの魅力に浸れます。

Carpenters 「シングルス」
CarpentersこれはSACDシングルレイヤー盤です。
Carpenters のSACD盤はハイブリッド盤物もありますが、このSACDシングルレイヤーは、マスタリング自体が異なっているようです。
自然な音像のふくよかさがあり、まるで自分の部屋にカレンが来て歌ってくれているかのような生々しさを感じます。

Dire Straites「Brothers In Arms」
Dire_straitesこれもSACDシングルレイヤー盤です。
このアルバムも何種ものリマスタ盤やSACD盤が登場していますが、これが決定盤ではないでしょうか。
SACDシングルレイヤー盤という希少さが私の物欲を刺激してそれが聴いている脳にプラシーボ効果を与えているだけかも知れません。
正直、どの盤もとても良い音だと思います。
80年代のCD発売黎明期に、開発元の片翼であった Philips がヨーロッパでのCDプロモーションにこのアルバムを起用していただけのことはある気合の入ったディジタル録音の名盤だと思います。
ギターの切れ、ドラムのアタックの鋭さ、そして空間を埋め尽くすかのような音の散乱。
どれをとっても音の快楽に浸ることが出来ます。
特に2曲目の「Money For Nothing」のイントロのドラムの叩き付ける迫力とキーボードの音のカーテンとのアンサンブルによる盛り上がりは圧巻です。
ボリュームマックス欲求が止まりません。

松田聖子SACD ステレオサウンド盤シリーズ
Photo_680年代のアルバムから12枚がSACDハイブリッド盤として発売されました。
絶対評価としてのオーディオ的音質という点では不満が残りますが、従来通常盤やBluspec盤と比べると圧倒的に周波数レンジもダイナミックレンジも伸びていることが分かります。
音量を出来るだけ上げて聴くとよりそれを感じることが出来ます。
音のキラキラした散乱具合に快感を感じます。
このSACDは製造元のステレオサウンド社のオンラインショップ(売切れ状態のタイトルが多いです)と、一部オーディオ系ショップ(ユニオン等)のみでの取り扱いなので、入手しづらいですが、松田聖子のアルバムは楽曲自体も楽しめるので、持っていて損はないものと思いました。

以上です。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2016年1月 3日 (日)

年始早々届いたCDです。

P. Hux ""Live" Deluxe"
Phux昨年末頃に彼のホームページでリリースされていることを発見し購入。
おまけでサイン入りのギターピックが同封されていました。
P. Hux は80年代から活動しているアメリカのパワー・ポップのロックミュージシャンです。
ELO part2 にも参加していたように、ゴージャス感のあるパワー・ポップが楽しめます。
このアルバムは96年のレコーディングということです。
タイトルについている"Delux"は、95年にリリースされたソロアルバムの"Delux"と同じなので、このソロアルバムのリリースに合わせて行われたライブを収録したのだと思います。
お宝音源というところでしょうか。
良いタイミングで発見出来てラッキーでした。

Nikc Lowe & Los Straightjackets "The Quality Holiday Revue Live"
Nick_loweこのアルバムのリリースは知らなかったのですが、一昨年の14年にリリースされていたようです。
たまたま、このアルバムのアナログ盤が昨年の11月にレコードストアデイ ブラックフライデイとかいうイベントか何か向けでリリースされたことを知り、CDでは無いのか?と探していたら、 Yep Rock から普通にリリースされていたことを知り、レーベルから直接購入しました。
アマゾンが手軽と思ったのですが、アナログ盤もCD盤もなく、ダウンロードのみの販売でした。
発見出来て本当に良かった。

| | コメント (7) | トラックバック (0)

2016年1月 2日 (土)

昨年の読書結果です。

昨年の読んだ本の冊数は55冊でした。
56冊目は読み切れず、2/3ページほど残ってしまいました。
SF、純文学、ミステリー、オーディオエッセイ、本のエッセイ、というのが主ジャンルでした。
特に多く読んだのは、高橋克彦、眉村卓、中村うさぎ でした。
本は基本的に新刊で買っているのですが、買うスピードに読むスピードが追いつけず、どうしても買ったままの積読物が繁殖してしまいます。
既読と未読を間違えないように、未読の本には書店でつけてもらったカバーをそのままにして書棚に入れます。
読み終わったらカバーを外してオリジナルの状態で書棚に入れ直すので、一目瞭然です。
そして、書店カバーがついたままで書名すらわからない状態の本の多さに呆れます。
読む順番が回ってくると同じ作家のものを集中して読むことが多くなります。
なので作家が集中しました。
それでも、昨年読んだ本が10年以上前に買ったままの本というのもかなりあり、積読にもほどがあると我ながら呆れます。
特に大ファンである眉村さんの本は、ある程度未読本が溜まってこないと読めません。
なぜなら、読んでしまうと次が無くなるからなのです。
まだ次の本があるぞ、という状態で安心して読むことが出来ます。
結果、眉村さんの本は昨年も数冊出ているのですが、未読で、前世紀の刊行物をやっと読んだのです。
なお、再刊本は安心して読めます。昔の記憶との差も面白がりながら読みました。
そんな中で面白かったと印象に残ったものを残しておきます。

先ずは高橋克彦です。
この人のものも新刊をためてから読んでいます。シリーズ物は特にためます。なので未読分がまだ数冊あります。
舫鬼九郎、バンドネオンの豹、総門谷それぞれの最後の巻分です。
これらを除いて昨年読んだのは次の5作品でした。

高橋克彦「ツリー」
Photo_2Photo_3読んで満足感を味わえた長編SF小説でした。
「竜の棺」のスピンアウト版と言っても良いかもしれない。
高橋節炸裂の文体はスピード感に溢れ心地よいリズムで読み進ませる。
善人、悪人入り乱れての戦闘の果てには、敵、味方の壁が壊れて仲間になってしまうという展開が痛快。
最後は感動!!
とても大らかなアメリカン娯楽映画とか、70年代の「ヤマト」系SFアニメのような映像感の描写で、文学的には評価されないだろうけれども、素直に涙してしまった。

高橋克彦「ジャーニー・ボーイ」
Photo_5爽やかな読後感に浸れる傑作。
実話をベースに、作者独自の解釈を加えて小説化したもの。
歴史冒険小説に分類されるかもしれない。
冒険とは言っても、日本国内なので、荒唐無稽さはない。
でもストーリーの展開にスリルがあり、作者の上手さを感じながら読み進んで行った。
半村良、隆慶一郎、宮部みゆき、そしてこの高橋克彦と、文章とストーリーテリングの上手さには職人的な見事さを感じる。
文章を読むこと自体が快感なのです。
この登場人物達と、もっとずっと一緒に旅をしていたかった。
北海道編(あるのかな?)も是非読みたい!!

高橋克彦「ドールズ 最終章 夜の誘い」
Photo_6途中から目がウルウル。「仲間」の素晴らしさを味わわせてくれた。
最初は、江戸時代の人形師の魂が幼児の中に蘇るというホラーで始まった。
そして、この人形師が日常の中に起こる事件を解き明かす短編シリーズに展開。
このままちょっとライト系なミステリで終わるのかと思ったら、大悪霊が登場し、異次元世界での戦闘物というSFに発展。
このまま大味なSFに発散してしまうのかと思っていた。
この最終章で、見事に収束させてくれた。
ドールズシリーズを頭から再読したいと思わせてくれる大団円でした。
よくぞこれだけの世界を構築してくれたもの。
感動すら覚えた、読んで良かったと思わせる最終巻の長編でした。

高橋克彦「非写真」
Photo_8最新ホラー短編集。2編は既刊単行本「たまゆらり」に収録済みなので、何となく読み覚えがあった。
他は全て初見。
さすがに上手い。
前半はほっこり系、しかし、後半は怖かった。








高橋克彦「東北蝦夷の魂」
Photo_9「風の陣」「炎立つ」「天を衝く」「火焔」の蝦夷4部作を俯瞰した歴史エッセイ。
東北への熱い思いが強く伝わってくる。










次は眉村卓です。
積読物はまだまだあるので安心して読めます。
昨年は再刊物を含めて6冊でした。
今年はもっと読みたいと思っています。

眉村卓「発想力獲得食」
Photo_1020年前の購入本。
ショートショート集なので、最後まで一気読みとはいかず、少しずつ読んでいたのが、途中で、別の長編小説とかに掛かってしまい、途中放置状態なっていたものです。
もうどれを読んだもので、どれが読んでいないのか全く分からなくなってっしまったので、最初から読み直し。
そして今度は途中浮気はせずに最後まで一気に読み切ってしまった。
面白かった。眉村本の魅力を再確認。
次はエッセイ。

眉村卓「大阪の街角」
Photo_1195年刊ですからこれも20年間積読状態でした。
エッセイながら、ショート・ショート的な面白さを感じながら読み進めました。
最後に必ずオチがありました。
いわゆるどんでん返しとしてのオチではないです。
著者の面白い角度から感想のようなもので、これが意外性があって、そう来るか、という感じなのです。
面白かったです。





「迷宮が丘 六丁目 不自然な町」
Photo_12眉村卓作品も収録された児童向けアンソロジー。
児童向けとは言いながら、中学生とか社会人も主人公になっていて、70年代の国産SF短編集の趣もある。
面白かった。









眉村卓「司政官 全短編集」
Photo_14「消滅の光輪」「引き潮の時」以外の「司政官」物の全作品を発表順ではなく司政官の世界での時間軸順に収録したもの。
「司政官」短編群は、SFマガジン掲載時や、単行本で何度も読んでいました。
しかし今回は発表順ではなく、司政官の世界の中の時間軸で読むことが出来、とても新鮮に司政官の世界を味わうことが出来ました。
黎明期から終末期までを順を追って読むことで、あたかも自分がこの司政官の世界の住人でいるかのような錯覚すら覚えました。
各時代の中で描かれる司政官達が直面する事件や問題への対面の仕方が、組織の中の個人というテーマ自体の重みや深みと重なって、現実感を伴って迫ってくるのです。
過去(この小説の世界での)の出来事を頭に入れた状態で読み進めるので、なおさらあの時代はああだったのに、この時代ではこうなってしまうのか、といった感覚でとてもリアルなのです。
司政官シリーズが単行本として刊行された当時には中学~高校生だったこともあり、このテーマの深さを実感としては味わえていなかったことを改めて認識しました。
社会の組織の中で実際に生きている今だからこそ共感も出来、理解も出来る面白さに満ちていました。

眉村卓「眉村卓コレクション異世界篇I ぬばたまの・・・」
Photo_15「ぬばたまの・・・」は高校生の時に最初に読み、その後文庫化された時に、巻末についていた著者年譜が欲しくて文庫も購入したことを今でも覚えています。
それも高校生でしたから、それ切りだったような気がします。
今回、多分30年以上たって読み返し、全く印象が違っていて驚きました。
やはり面白味が増している。感じることの出来た面白さの質が、ストーリー展開の面白さから、主人公の心情に共感出来る面白さに変化していました。
中高生の頃、夢中になった学園物に感情移入した時と同じような面白味を味わえたのです。
司政官シリーズと同様でした。
眉村作品で描かれる、組織の中の人間というテーマを実感として感じられ、共感出来るようになったということでしょう。
全ての眉村作品を読み返してみたい!!

眉村卓「カルタゴの運命」
Photo_16これは傑作の本格SF。
本当に久々に感動、面白さと言える新作のSF小説を読んだという充実感を味わえました。
まるで、70年代、80年代に読んでいた眉村ジュブナイルSFの世界を、主人公が完全な青年として登場する小説世界で味わえました。
青年を主人公とする小説だと、司政官や社会派SFなのですが、これらとは全く違った小説世界でした。
登場人物達の間に芽生える友情感と、互いに別れがたい感情が芽生える物語は、本当に眉村ジュブナイルSFの友情物語の世界なのです。
異界から現れて主人公と関わる登場人物が、ともに同じ世界と同じ時間、そして同じ事件、危機を共有しながら、友情とも言える感情が登場人物達の間に芽生えるのです。
そして終盤に訪れる別れ。
更には、再開を示唆するような爽やかな最後。
堪りません!!
又、SF的道具立てとしての時間理論も面白かった。
異世界人の語るこれまでの謎の答の説明も本当に懐かしかった。
「なぞの転校生」「未来からの挑戦」「天才はつくられる」「つくられた明日」等々の世界。
中学生の時に味わえた感動と同じ質の感動を、35年経ってからも味わえるなんて。
堪能した!!

次は中村うさぎです。
中村うさぎは爆笑買い物エッセイで好きになりました。
しかし、買い物依存から、風俗嬢、ホスト、整形と普通の人が絶対に辿らないような道をたどり、その様子を爆笑かつシビアなエッセイに綴っているのです。
ここまで自分をさらけ出して大丈夫なのかと、面白さを通り越して心配にすらなります。
爆笑エッセイから身と魂を削る純文学の世界が同居している感のある無二の世界でした。
5冊です。

中村うさぎ「さびしいまる、くるしいまる」
Photo_17なんというシビアな爆笑エッセイ。
笑いながら泣き出しそうになりました。
純文学として成立しうる魂の叫びだと思いました。










中村うさぎ「愛か、美貌か ショッピングの女王4」
Photo_18うさぎ節全開!!
遂にホストから整形へ。












中村うさぎ「美人になりたい うさぎ的整形日記」
Photo_19いつもながら度肝を抜かれる内容。笑いと深い洞察に今回も感服。











中村うさぎ「壊れたお姉さんは好きですか?」
Photo_20中村うさぎのあけっぴろげなエロテーマエッセイ。
相変わらず深い考察である。
でも笑いもタップリ。











中村うさぎ・岩井志麻子・森奈津子「最後のY談」
Photo_21ここまであけすけに語ってしまうのか、と痛快この上無い対談集。










ここからはアラカルトです。

野村あらえびす「音楽は愉し」
Photo_22コレクター魂これにあり!!
大正~昭和初期にこんなレコードコレクターが存在したとは。
自分の思いに重なるコレクター的情熱とエピソードの数々。
面白かった!!






北原 尚彦「SF奇書天外」
Photo_23ヨコジュンの「古典こてん」の後継的エッセイ。
文体まで似せた感じであったが、こなれていない感じで、ちょっとつらかった。
でも内容は面白い。
特に入手経緯は最高。
本の内容紹介よりもその入手経緯のエピソードの方に、より興味を惹かれた。






北原 尚彦「SF奇書コレクション」
Photo_24「天外」の続編。これも本を買うエピソードが面白かった。










北原尚彦「古本買いまくり漫遊記」
Photo_25ちょっとはずし感のあるくだけ文体にはやはり馴染めない。
しかし、内容的には期待通りの古本購入エッセイ。
あっという間に読み切ってしまった。









はいだしょうこ「虹色メロディー」
Photo_27NHKのおかあさんといっしょの中でも不思議系を思わせてしょうこお姉さん。
番組卒業後の数多くの民放系バラエティ番組の出演で、その独特のキャラクタを全開させた、しょうこお姉さんのエッセイ集。
宝塚時代のエピソードは爆笑もの。
文章は、正直「作文」といった感じで、まるで幼馴染の知人が書いたものを読んでいるような心地よさでした。
誠実さの伝わる内容でした。




鏡明「二十世紀から出てきたところだけれども、なんだか似たような気分」
Photo_28「本の雑誌」に連載されたエッセイの単行本化。
独特の文体で読みづらさはあったけど、SF好きには興味深い内容でした。











G.ガルシア=マルケス「百年の孤独」
Photo_29およそ35年振りに新装版で読み返したもの。
出だしで、引き込まれ、中盤はダレ、最後また引き込まれました。
やはり最後の一ページがすごい。
全てがこの最後の1ページのために書かれているということを再認識しました。
最初にこの小説を読んだ高校時代には、読むことに精一杯で面白味を味わうまでには至れていなように思います。
マルケスの世界をもっと堪能したいと思い、新潮社のマルケス全作品シリーズを一気買いしてしまいました。
マルケスは一昨年他界しているので、これらの作品を読んでしまうともう新作が読めません。
当分は積読です。

大江健三郎「宙返り(上下)」
Photo_30Photo_31上巻は、読むのが正直苦痛でした。
しかし、下巻も後半になって話が一気に展開し、読むスピードも上がりました。
過去作品の世界から主要人物達が登場し、滑稽さと懐かしさが複雑に絡む物語でした。
大江文学の集大成的な作品と思いました。
でもこのあとにさらに2作品が書かれているので、それらを今年は読もうと思っています。
大江作品は読み始めるまでに、「読むぞ」という決心が要ります。
なので未だ積読状態です。

柴野 拓美(著),牧 眞司 (編集) 「柴野拓美SF評論集 (理性と自走性――黎明より)」
Photo_32これは面白かった。正に日本SF史そのもの。
本のサブタイトルになっている「理性と自走性」のSF論は正直良く分かりませんでした。
あまりに論文チックな書き方で馴染めませんでした。
しかし、SF作品への論評は面白かった。
黎明期のSFマガジン等に掲載された短編一つずつに丁寧な論評がされていて嬉しかった。
眉村作品も多数論評されていて嬉しかった。
柴野さんの眉村評は期待値も含めてとても高かったように思えて嬉しかった。

チャーリー・ラヴェット「古書奇譚」
Photo_33面白かった。シェイクスピアの正体と、偽書(贋作物)殺人事件を絡めた展開でほぼ一気読み。
高橋克彦の浮世絵師殺人事件シリーズと共通性を感じさせる面白さでした。
しかし、シェイクスピアの正体を追及するという歴史ミステリ的な面白さは全くない。
高橋克彦の歴史小説や、伝奇小説、浮世絵シリーズでは、学術論文を小説の形式で発表しているのではないかと言っても良い位に、新たな発見の事実を積み上げているが、この本では完全なフィクションとして、エピソードを作っているよな感じなので、シェイクスピアの正体のナゾに独自の説を立てているという感じではなく、そういう歴史的なナゾを解くスリリングさはないのです。
ミステリとしての意外性も小さく、殺人事件の犯人も想定内でした。
古書薀蓄が多いわけでもないので、ストーリー展開の面白さだけで読めた感じでした。
次の作品にまでは手は出さないだろうなという感じです。

以上です。
今年も、面白く、そして感動出来る作品に出会いたいと思います。
週一冊ペースで行けると良いなあと思います。

| | コメント (8) | トラックバック (0)

«昨年のCD購入いきさつが印象深かったCD達。