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2010年3月28日 (日)

読書日記:ノスタラダムス 封印された予言書

マリオ・レディング 著 務台夏子 訳「ノスタラダムス 封印された予言書」(上・下
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これは3日で読んでしまった。上下巻で約800ページの大長編。
翻訳物にしては読みやすかった。登場人物があまり多くなく、対人関係が分かりやすか
ったのと、翻訳物にありがちな欧米人特有の、変に持って回ったような洒落た表現も少
なかったことが読みやすさの主たる要因。

で、肝心の中身であるが、これは正直本当に肩すかしも良いとこである。
帯には「予言には続きがあった。」「2012年に何が起こるのか?」とあり、著者は
ノストラダムス予言研究の権威という触れ込みである。
当然期待するのは、この未発見の予言詩を発見するに至る、様々な過程で、これまで
のノストラダムス本には出で来なかったような新事実の発見や、新解釈などを提示して
くれるものと期待していた。
又、未発見予言詩自体は、当然事実として、現在でも未発見なのだから、その中身を
直接的に紹介することは出来ないだろうけど、その未発見予言詩の捜索過程で発見
した色々な資料や新解釈等から、おぼろげでも、その内容を推測的に提示する、など
ということを期待していた。
しかし、その期待は全て見事に裏切られた。

物語の骨子は、未発見予言詩のありかを巡る、殺人者からの逃亡劇。
暴力と殺人事件、その殺人者からの逃亡のの描写が全体の8割は占めていると思う。
未発見予言詩の捜索という最大の期待ポイントについては、もう至極簡単に、ジプシ
ーが所有する物の中にその所在を示すものがあって、結果、数箇所捜索して、予言
詩を簡単にゲット。
殺人者の登場さえなければ、多分、数十ページの短編レベルで終わってしまうような
内容である。新資料の提示も、新解釈の提示も何もない。

この殺人者も、本当は、中世から連綿と続く悲しい定めを負った一族の末裔として、
描かれても良いような設定を持っていながら、そういう悲しみを深堀せず、ただの冷酷
で、拷問趣味の最悪の殺人者として描かれ、最期の場面も特に描かれていない。
この辺り、「北斗の拳」でいう、シンの最期や、サウザーの最期のような余韻感が全く
ない。悪玉であっても、その悪に至る過程に深い悲しみがあって、ということが無い。

で、未発見予言詩の内容も、簡単に明かされている、それも最期の数ページ程度で。
この内容が、なぜこういう内容でなければいけないのかという、裏づけが何もないので
尚更つまらない。帯にある「2012年」が全てである。本当につまらない。
只の便乗小説である。

この小説の解説では、ジプシーの歴史に触れていてそこに深みがある、とか書かれ
ているが、ジプシーとノストラダムスの関わりの中でその歴史に触れているわけでは
ないので、物語の中身としての深みには全く関与していないのである。
これが例えば、ノストラダムス自身がジプシーで、とか、あるいはジプシー自体の誕生
秘話としてノストラダムスの予言を守る役割があった、だとか、何かそういう伝奇的な
仕掛けがあれば面白いのだが、そういうことはない。

まあ、本当に肩すかしであった。

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