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2010年4月 4日 (日)

読書日記:小峯隆生「1968 少年玩具 東京モデルガンストーリー」

小峯隆生「1968 少年玩具 東京モデルガンストーリー」
Photo_2 タイトルに惹かれて購入してみた。
作者が、週刊プレイボーイの元編集者であることは知っていたので、特に作者への興味はなく、モデル・ガンというキーワードと、68年という年代で、自分の子供の頃への郷愁感が刺激されてしまったため。
 
 私は、漫画&テレビアニメ「荒野の少年イサム」に夢中になり、コルト・ピースメーカー、そして、弾丸をベルトに装着出来るガンベルトに憧れを持っていた。
 正に小学生~中学生の頃である。
 本物と同スケールのモデル・ガンの通販広告がよくマンガ雑誌の背表紙に掲載されているものを見るたびに、憧れ強くしていったことを覚えている。
 勿論、高価なモデル・ガンなど買える術もなく、せいぜいが、夏祭りの夜店で買う
 銀球鉄砲。でも、そんなオモチャを買って、それを腰に吊るすためのホルスターを
 マンガの絵を見ながら型紙を作って、家にあったエナメル地の布をもらって、手縫
 いで作って、Gパン用の太めのベルトに通す。そして、弾丸装着部は画用紙で作っ
 て、これを接着剤でベルトに貼り付け、自家製ガンベルトの完成である。

 ちょっと長くなったけど、そんな思い出がこの小説タイトルから瞬間的に蘇ってき
 た。
 こんな思い出を再び物語として味わえるような小説であることを期待して読んだが、
 残念ながら、これは小説(物語)ではなかった。エッセイ。それもかなりの素人芸。
 言葉使いの誤りも見られるような、残念な本であった。
 語り手が現在の自分であることがマイナスになっている。この語り手が実在の自分
 ではなく、架空の自分であったら、もっと小説としての展開を書けたのではないか
 と思う。
 話の内容は、昭和40年代に小学生だった男子(つまりは40台後半から50台前
 半までの男性)には、まるで自分の思い出話を読んでいるかのような錯覚を覚えさ
 せるエピソードが詰まっている。エピソードや、描写される当時の感覚は素直に共
 感出来て面白い。
 しかし、所詮はエピソードの寄せ集めに過ぎず、小説としての大きな展開はない。
 時々登場する作者自身の現在視点のコメントが鬱陶しいのである。
 非常に自慢げであり、自虐的であり、そこには第三者視点が全くなく、いやらしさ
 を感じてしまう。
 せっかく、同時代の読者達が共有出来ているはずの思い出を提示して見せながら、
 そこから何も発展させることが出来ていないのは、おそらく、この話者のせいであ
 ると思う。
 個人的な思い出話としてしか成立させることが出来なかったのである。
 エッセイであれば全く問題はない。
 しかし、小説であるからには、この個人的な思い出を昇華させ、もう一段上の物語
 を創り出して欲しかった。
 個人の思い出話に付き合わさせるだけなのでは退屈である。

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