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2010年6月26日 (土)

読書日記(6/26):佐野洋「嫌いな名前」

佐野洋「嫌いな名前」
Photo SF作家、眉村卓がモデルとなった人物が登場するというこの小説をずっと読んでみたかったが、ようやく実際に読むことが出来た。
この本は3編の中篇小説が収められた中篇集である。この中の2番目の小説「嫌いな名前」の中に、眉村卓をモデルとしたであろう人物が登場する。
しかし、この人物のとる行動自体には、眉村卓という人間の性格までが反映されてはいないようである。
もし反映されていたら大変(何が大変かを知りたい人は小説を手に取って下さい)。あくまで人物の経歴設定だけのようである。
そういう意味では、眉村卓本人がデフォルメされて登場した田辺聖子「おせいどんアドベンチャー」とは全く違ったタイプでのモデル化であると言えそうである。
尚、この「嫌いな名前」の中で、作者は、自分の知人をモデルにして小説の中に登場させるパターンとして、小説の中で恨みを晴らすパターンがある、などということも言っているようなので、うがった見方をすれば、佐野洋は眉村卓にマイナスの感情を持っているのか?などと思ってしまうのである。
尚、小説自体の面白さであるが、3篇とも軽いタッチの推理小説として楽しめた。
一篇目の「非常な善意」では、明確な事件は発生しない。病院の婦長が主人公で、患者の姉から、患者の奥さんのために、保険満了日の前に死亡させるよう(保険金の受取額が格段に高いから)依頼されてしまったが、さて、この婦長の出した答えと結末は?
二編目の「嫌い名前」では、眉村卓をベースモデルにしたという作家が書く小説には「たかこ」という名前だけが登場しない。しかも、その作家は「たかこ」の名の女性に対し毛嫌いするような態度をとる。なぜ? そしてある殺人事件に絡んでの意外な結末。
三篇目の「愚かな嘘」では、元刑事が殺人事件の容疑を掛けられる。その元刑事は、自分のアリバイとして、観光旅行中であったことを話す。しかし、その旅行参加者の誰一人彼の参加を知らないという。どういうことか?

とまあ、非常に短編チックなナゾの設定で読みやすさもあってスラスラ読んでしまった。
しかも、3篇とも、よくありがちな、簡単に予測出来てしまうようなオチになっていないのが良い。
読み終わったあとに、なるほどと、軽く「やられた」感を味わえる好中編集である。

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