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2011年2月 6日 (日)

2010年ベスト盤その2:ルーツ・ロック編(オルタナ・カントリー~ルーツ・ロック=アメリカン・ロック)

ベスト盤、続いてははルーツ系です。
オルタナ・カントリー、アメリカン・ロックを含みます。
選んだのは14枚。やはり順番はありません。

Memphis 59 -Ragged But Right-
Memphis_59 トゥワンギーさと、ザラツキ感を持ったオルタナっぽさの両方を持ったギター・バンド。Gear Daddies、Say Zu Zu、Billy's といったミネアポリス勢のカントリー・ルーツのギター・バンドを思わせる。
あるいは又、トゥワンギーな Replacements とでも表現したくなるような演奏である。
エッジの立ったギター・サウンドで、ドライブ感も十分。
ネジレ感のないストレートなメロディーラインが直接胸に刺さってくる。
アップテンポな曲も、タメの効いたミドルテンポの曲も、メロウな味わいのスローな曲も、良いバランスで収録されており、メロディーとリズムに体を反応させているうちに、全曲が終わってしまった。
直ぐに頭から再生し直し、心地よい演奏に浸り直してしまった。

Jim Cuddy "Light That Guides You Home"
Jim_cuddy カナダの至宝、Blue Rodeo のフロントマンのソロ第2弾で06年作。
リリースされていたこと自体知らなかった。たまたま見つけて嬉しい。
1stが98何なので8年振りのソロ作。
演奏は本家の Blue Rodeo を思わせるメロディアスで優しさを感じさせるルーツ・ロック。メインボーカルが彼であるため、Blue Rodeo との違いは正直分からない。
でもソロの方が若干ではあるがカントリー風味が効いているか。
でもこれは気のせいレベル。そんなことはどうでも良い。
良い曲と良い演奏と良い歌に浸るのみ!!

New Heathens "Hello Disaster"
New_heathens 何のクレジット情報もない不思議なインナーであるが、バンドHPでアルバムの詳細情報が掲載されており、このアルバムは間違いなく Eric Ambel のプロデュースである。
Bottle Rockets のような歪んだギターで豪快にドライブするルーツ・ロックで幕開け。
以降は、わりとアコースティック感の綺麗な響きの演奏が続く。
メロディーも綺麗なギター・ドリヴンなエレクトリックスタイルのフォーク・ロック調である。
しかし、後半再び、豪快な歪み感タップリのオルタナ・カントリー。
正調ルーツ・ロックも、パワフルなオルタナ・カントリーもきちっとこなせるロッキンバンドである。
Eric Ambel のプロデュースはさすがの一言に尽きる。

GREG TROOPER -THE WILLIAMSBURG AFFAIR
Greg_trooper 過去作では時々 Eric Ambel の名前が謝辞の欄に掲載されていたり、曲の共作者に名前があったりしていたが、遂に、アルバム全体のプロデュースで Eric Ambel がクレジットされた。
勿論、演奏にも全面参加。Eric 人脈で Joe Flood フィドルで参加している。
Gregg Trooper のCDは92年が1stアルバムと思っていたが、86年がデビューらしい。
この新作で、スタジオ録音盤としては8枚目。
フォーク系のSSWながら、かなりルーツ・ロック系の腰の据わった演奏を聴かせているという印象ではあったが、この Eric Ambel プロデュース作で、更にロッキン度を深化。しかもオルタナ・カントリータイプのザラツキ感とパワフル感を身に着けた。
Michael Fracsso が Charlie Sexton のプロデュース作で大化けした時のような印象である。

BEN'S DIAPERS - Up In The Mountains, Deep In The Sea
Bens_diapers Raspberries タイプのハードで甘いパワー・ポップから。ほんのりカントリーの匂いを感じさせるルーツ・ロックまで、幅広くアメリカン・ロックを聴かせてくれる。
アップテンポで力強い演奏、フォーキーでアコースティックなギター・ポップ、そして軽やかなノリのカントリーと、その演奏スタイルも色々。
しかし、一貫して言えることは、メロディーの良さ。
ノスタルジックで一聴古臭いと感じるかもしれないほどの、更には既にずっと昔に聴いて耳に残っていると錯覚するほどのメロディー展開。
何度も繰り返し聴き返したくなること間違いなしのアルバムである。
このバンドは、00年にデビューしており、このアルバムでようやく3作目。過去の2作も含めてハズレのないバンドである。

Roger & The Rockets -Walking Band-
Roger_the_rockets この心地良さは一体何なんだあ~??
これがこのCDを聴いて真っ先に思ったこと。
これ又スウェーデン発のアメリカン・ルーツ・ロックバンドである。
そして演奏のカントリーフレイバーの感じも同じようである。
しかし、決定的に違うことは、このバンドにユーロトラッドの香りも漂っていること。
このユーロ・トラッドの持つ独特な節回しから来る哀愁味と、アメリカン・カントリーの持つ陽気さとが良い具合に溶け合って、独特なオルタナ・カントリーの世界を作り出しているのである。
彼らの演奏するカントリーは、Nick lowe や Dave Edmunds が演奏するカントリーに似ている。
リズム感もアメリカンというよりは、パブ・ロックのもの。
そこに、哀愁と郷愁の味わいを持ったヨーロッパの香りが振り掛けられているのだから堪らない。

ALEJANDRO ESCOVEDO -STREET SONGS OF LOVE-
Alejandro_escovedo 結構、地味なアルバムが続いていたが、一昨年のアルバムでロックンロールに
復帰。そして、この本作は更にルーズ感とワイルド感が加わって True Beliversを彷彿とさせる出来になっている。
しかも、意外やメジャー系のプロデューサー、エンジニア、そしてゲストと実に贅沢な布陣となっていることも見逃せない。
プロデュースが Tony Visconti、エンジニアが Bob Clearmountain、ゲストにIan Hunter、Bruce Springsteenである。
中に写っている写真が又良い。
皮ジャンにサングラス、そして赤いネッカチーフである。
まるで本郷猛(仮面ライダー一号)ではないか。
この時代錯誤なファッションがそのまま音楽にも現れている。最高である。

Mike Fredrickson -Poor Freddy's Almanac
Mike_fredrickson この病的なジャケットだけを見たらとても買おうとは思わない。
しかし、このCDはNRBQ、Nick Lowe、Elvis Costello が類似アーティストとして紹介されているのである。
しかも、彼自身のプロフィールは、オルタナ・カントリー・ロッカーのRobie Fulks のベーシスト。
もう買うしかないということで購入したもの。
果たして出てきた音は、確かに NRBQ。
アコースティック感の心地よいルーツ・サウンドに優しいメロディーと、どこかとぼけた雰囲気のボーカル。
これは正にNRBQそのもの。
更にポップ度を増す楽曲になると、俄然 Nick Lowe になってくる。
そしてタイトなロッキンチューンでは Costello が姿を現す。
ギター・ポップ、カントリー・ポップ、ルーツ・ロックといったタイプの楽曲がネジレ感の無いメロディーで奏でられ、聴いていて気持ちの良い。全曲メロディーの良さが耳に残るのである。
紹介文に偽り無し!!
久久の5点満点のアルバムであった。

Frank Royster -Innocence Is Bliss
Frank_royster 07年のアルバムでは、普通のルーツ・ロックという印象であったが、この今年の最新作では、Jamie Hoover のプロデュースとも相まって、演奏もメロディーも非の打ち所の無いアルバムに仕上がっている。
最初は Jamie プロデュースということでパワー・ポップ物を期待したが、出て来たサウンドとメロディーは、良い意味での古臭さを持ったルーツ・ポップとでも言うべきもの。
オールディーズな雰囲気から、カントリールーツを感じさせる曲まで聴かせる。
ボーカルは Don Dixon を思わせるソウルフルで少ししゃがれ気味の声。
決して張り上げるようなことが無いが、力強い歌いっぷりである。
演奏、メロディー、歌の全てが完璧に揃ったアルバムである。
もう、4回も聴き返してしまった!!

Colin Gilmore "Goodnight Lane"
Colin_gilmore Jimmy Dale Gilmore の息子の第2作。
1stでは、パワー・ポップ寄りの爽やかな演奏で意表をついてくれたが、この2ndアルバムは、Lloyd Maines のプロデュース。父親譲りの正統派のカントリー路線に転向か、と思ったら、今回も見事にこの予想を裏切り、Nick Lowe もかくやと思わせるルーツ・ポップを聴かせてくれた。
鼻声ボーカルのせいか、オーストラリアのルーツ・ロッカー、Paul Kelly にそっくりで、特に一曲目などは、メロディーラインが90年代前半の Paul を髣髴とさせるようなポップ路線の楽曲で、Paul の新作と言われたらそのまま信じてしまいそうなほど。
又、ペダルスチールギターをフィーチャーし、どこかほのぼのとしたカントリーフレイバーを漂わせながら、ポップな楽曲は、正に Nick Lowe スタイル。
更には NRBQといった辺りも思わせる優しさ一杯の演奏と楽曲が満載。
全曲捨て曲無しの傑作アルバムである。

Sister Hazel "Heartland Highway"
Sister_hazel 90年代から活動するインディーズ系のルーツ・ロックバンド。
Soul Asylum 辺りと同じ肌合いのアメリカン・ロックを聴かせてくれる優良バンドの最新作である。
一環してジャケット雰囲気がオルタナ系のギター・バンドっぽい感じで、聴く前に手に取らない可能性が大であるが、インディーズ系のルーツ・ロック好きなら聴かないと絶対損なバンドである。
特に今作では Hootie & THe Blowfish 辺りにも通じるネオ・ルーツ感が堪らない。
メロディー、リズム、ハーモニー(アンサンブル)という3要素が全て高レベルで満足させてくれるアルバムになっている。

Bruce Springsteen "Promise"
Bruce_springsteen  ジャケットの裏面には"The Lost Sessions:Darkness On The Edge Of Town"という副題が付いている通りなのであるが、この2枚組は、とても"Darkness..."のロスト・セッション集などという生易しい代物でうはない。
2枚組みで21曲収録のこのアルバムは、曲調、演奏の雰囲気からいくと、"Darkness..."よりは、"The River"により近いアルバムというのが率直な感想。
"Darkness..."の少し力みの入った感じに比べ、この2枚組はどこかリラックスしていて、明るさが感じられる。
そういった意味でももう一つの"The River"とでも言いたいアルバムである。
全21曲中、"Darkness..."の別バージョンは数曲しかなく、大半はオリジナル曲。
こんなアルバムが30年以上も陽の目を見ずにいたというのは、本当に悲しいことで、これを封印させざる得ないような状況に至らしめた関係者は犯罪者と言いたいほど。
逆に、今回こういう二枚組という独立したアルバムの形でリリースしてくれたことに心から感謝したい。
78年録音という古さを全く感じさせない音質面でのケア振りも素晴らしいアルバムである。

THE DEL-LORDS -NDER CONSTRUCTION-
Dellord あの Del-Lords が遂に帰ってきた!!
ここ数年、Del-Lords のアルバムがCD化されたり、リイシューされたり、これはもしやという、期待感があったのは事実。
そして遂にこのEP盤のリリースとなった。
メンバーは不動。Eric Ambel、Scott Kempner、Manny Caiati、Frank Funaroの4人。そしてプロデュースは外部からは呼ばず、Eric Ambel である。
彼らのHPに掲載されている演奏風景の写真はとても楽しそうなもの。
このCDに収録された5曲は正に Del-Lords の演奏そのもの。何も変わった所の見えない演奏である。
渋さが増したとか、少しポップになったとか、そんなことは一切ない。
クールという言葉がピッタリの、都会派ルーツ・ロックを聴かせてくれた。
早くフルアルバムをリリースして欲しい!!

Jason & The Scorchers "Halcyon Times"
Jason_the_scorchers_2 81年にデビューしているが、70年代末頃から活動はしているようで、    その頃の音源を集めたCDもリリースされており、Nashville Scorchers と名乗っていた。
彼らのサウンドは荒々しいガレージとパンクを癒合させたサウンドにカントリー・ミュージックを乗せるという、当時としては彼らだけの音楽スタイルだったと思われる。
よくカウ・パンクと言われるが、そのほとんどはロカビリーとカントリーの融合であり、ガレージ・パンクとの融合というスタイルは彼らが多分始めて。
最近はこのスタイルがオルタナ・カントリーの一スタイルとして一般化している。
この今年リリースされた最新作では、デビュー当初を思わせる荒々しくラウドなサウンドが全開。豪快なノリでドライブしまくる。
バンド名義のスタジオ盤としては実に14年振り。
しかしあまり久しぶりという感じがしないのは、Jason Ringenberg がソロ活動でコンスタントにアルバムをリリースしていることと、もう一人の重要メンバー、Warner E. Hodges の露出が結構多いため。
この新作のプロデュースも彼のプロデュース。
他 Brad jones もクレジットされているので、どんな具合かと気にはなったが、全くの危惧に終わった。Warner E. Hodges がメインだろうと思われる。
彼ららしさ一杯のアルバムに仕上がっている。
バンドメンバーは Jason Ringenberg、Warner E. Hodges、Pontus Snibb という最近のメンバーで、ゲストでDan Baird、Tommy Womack の名前もクレジットされている。
ラウドで豪快、そして和み系までが見事に融合されたカントリー・アルバムである。
近いうちに彼らの全アルバムも聴盤日記で紹介したい。

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コメント

pixyさん、私のベスト盤記事ご覧頂きありがとうございます。
気に入って頂けるものが紹介出来ていれば大変嬉しいです。
コメントありがとうございます。

投稿: CDバカ | 2011年2月 9日 (水) 21時32分

拝見させていただきました。パワーポップ版は僕も好きなものばかりだし、ルーツロック版もBEN'S DIAPERSは大好きだし、僕の知らない物が多く、特にMIKE FRIEDRICKSON,COLIN GILMORE,NEW HEATHENS,JIM CUDDY,BLUE RODEO等カッコよかったんで購入します。ありがとうございました!

投稿: pixy | 2011年2月 8日 (火) 22時23分

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